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環境省、レッドリスト2017を公表 絶滅危惧種38増加

環境と微生物のつながりを可視化するウェブツール「LEA」開発

情報・システム研究機構国立遺伝研究所の東光一特任研究員および黒川顕教授らのグループは、環境と微生物のつながりを可視化するウェブツール「LEA」を開発したと発表した。「LEA」によって、大規模データがありながら、今まで解析されていなかった環境と微生物の繋がりを可視化し、環境汚染の検出や微生物がかかわる疾患の診断につなげる。

微生物は様々な環境に存在し、どのような微生物がどのような環境に生息するのかは環境問題や健康問題解決の糸口となり得る。そのため、特定の「環境」に生息する微生物の群集についてのデータはこれまで大量に蓄積されていた。しかし、微生物群集形成に影響を及ぼす環境因子がわかっていない上に、研究者の間で「環境」を弁明する記述が統一されていなかったため、研究者間のデータを横断的に解析することができていなかった。

今回、黒川教授の研究グループは、微生物群集構造とその由来に関する文章(自然言語記述文書)が対になった3万サンプルを含むデータセットを用いて、微生物群集の形成に影響を及ぼす環境を機械学習により自動的に抽出。その結果をもとに、「環境」に対応する「微生物」を検索する、あるいは逆に「微生物」から「環境」を予測することができるウェブツール「LEA」を開発した。これにより今後、ヒト共生微生物による疾患の診断や環境汚染の検出などへの応用が期待される。
 

ビッグデータを用いて微生物から環境を予測するウェブツールを開発 
図1:微生物と自然言語の対応関係を学習
DDBJなどの公共データベース中のすべてのメタゲノムデータには、「サンプルについて研究者が記述した文書(自然言語)」が付随する。
 

ビッグデータを用いて微生物から環境を予測するウェブツールを開発 

画像提供:国立遺伝学研究所(冒頭の写真はイメージ)