ドローン長距離飛行・運航管理の試験拠点 福島に開所

ドローン長距離飛行・運航管理の試験拠点 福島に開所

ドローン長距離飛行・運航管理の世界初の試験拠点として、「福島ロボットテストフィールド(RTF)」が20日、一部開所した。安全・円滑に飛行試験ができる環境を整備することで、ドローン物流等の実現を加速する狙いだ。

RTFは、物流やインフラ点検、大規模災害などに対応する陸・海・空のロボットが使用される多様な環境を再現できる大規模実証フィールドで、経済産業省と福島県が整備している。今回最初に開所したのは、ドローンの安全な飛行を支える機能、具体的には区域一帯でのドローンとの長距離通信の確保、気象情報の収集、他機の監視などを集約したRTFの通信塔の部分。

RTFは東日本大震災及び原子力災害によって産業が失われた、福島県南相馬市や浪江町の沿岸部浜通り地域の新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」に基づいて設立された。福島県はこれまでも浜通り地域で80件以上のドローン飛行試験を仲介しており、今回は南相馬市と浪江町の間約13kmを「広域飛行区域」に設定して試験環境を整える。

福島イノベーション・コースト構想ではこのほか、廃炉やロボット、エネルギー、農林水産等の分野におけるプロジェクトの具体化を進めるとともに、産業集積や人材育成、交流人口の拡大等に取り組む。8月9日には、RTFの利用第一号として、新エネルギー・産業技術総合開発機構が進める「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」によるドローンの運航管理の試験が行われる予定。

画像提供:福島県