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耕作放棄地が生物多様性に貢献か? 湿地・草地性の鳥類の生息を確認

耕作放棄地が生物多様性に貢献か? 湿地・草地性の鳥類の生息を確認

北海道大学大学院農学研究院の中村太士教授らのグループは26日、耕作放棄地の生物多様性機能を調査した結果、湿地・草地性鳥類が生息していることが判明したと発表した。今後、減少した湿地・草地性鳥類の生息地として、耕作放棄地が有効であるかを検討していく。

同研究グループは、北海道中央部の石狩・胆振いぶり地方で調査を実施。その地域の主要な土地利用タイプ(湿地、草地、湿性放棄地、乾性放棄地、農地、森林)に調査点を48カ所設置し、鳥類の生息数を調べた。そして、観察された鳥類を4つのグループ(湿地性、草地性、農地性、森林性)に分類し、土地利用タイプ間で生息個体数を比較した。

その結果、耕作放棄地に生息する湿地・草地性鳥類の個体数は、主な生息地である湿地や草地よりは少ないものの、農地や森林より多い傾向にあることがわかった。特に、ホオジロの仲間で北海道や東北のヨシ原やその周辺に生息する鳥類のオオジュリンなど湿地性種4種は、農地よりも湿地性耕作放棄地の個体数が顕著に多く、農地が放棄されることにより個体数が増加すると予想された。

このように耕作放棄地を生物の生息地として評価することにより、宅地化、農地化により減少した湿地性・草地性の生物を保全できるか期待される。ただ、農地の耕作放棄は生物の個体数を減少させるという報告もあり、耕作放棄の影響の地域差や時間的推移も明らかにしていく必要があるという。

(写真はイメージ)

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