電気エネルギーを利用して生きる微生物を特定 理研

理化学研究所は、25日、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物を特定し、その代謝反応の検出に成功したと発表した。

一部の生物は生命の維持に必要な栄養分を自ら合成するが、その方法としては、太陽光をエネルギーとする「光合成」と、水素や硫黄などの化学物質のエネルギーを利用する「化学合成」が存在することが知られていた。理研の共同研究チームは2010年、深海熱水環境には電気を非常によく通す岩石が豊富に存在し、熱水と接触することで電流が生じることを発見。これらを踏まえ、そこに生息する一部の生物が、太陽光と化学物質に代わる第三のエネルギーとして電気を利用して有機物を合成しているのではないかという仮説を立てて研究してきた。

今回、鉄イオンをエネルギーとして利用する鉄酸化細菌の一種であるAcidithiobacillus ferrooxidans(アシディチオバチルス・フェロオキシダンス)に着目し、電気のみがエネルギー源となる環境で細胞の培養を行ったところ、電気を利用して二酸化炭素の還元反応を起こして細胞が増殖することを確認した。また、わずか0.3V程度の小さな電位差を1V以上にまで高める能力を持ち、非常に微弱な電気エネルギーの利用を可能にしていることも分かった。

この研究により、電気エネルギーが、地球の食物連鎖の根幹の光と化学物質に次ぐ第三のエネルギーであることが示された。今後、これが深海に広がる電気生態系の調査においての重要な知見になると期待される。この研究の詳細はスイスのオンライン科学雑誌『Frontiers in Microbiology』(9月25日付)に掲載されている。

画像提供:理化学研究所

関連記事一覧