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震災から9年ぶりJR常磐線全線が復旧 夜ノ森駅に歓迎の「桜」

震災から9年ぶりJR常磐線全線が復旧 夜ノ森駅に歓迎の「桜」

2011年の東日本大震災以降、9年間にわたって運行が停止していたJR常磐線の富岡駅と浪江駅の区間が14日に開通した。この日、富岡駅の隣にある夜ノ森よのもり駅には復興に携わった人たちが集まり、夜ノ森の名物である桜をイメージしたピンク色のタオルや傘を手に、ホームに入ってくる電車を笑顔で迎えた。

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夜ノ森駅のホームで、開通した常磐線を歓迎する人たち

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夜ノ森駅に入ってくるいわき行きの電車

常磐線は震災の影響で運転ができなくなり、復旧した区間から少しずつ再開していたが、福島県沿岸部を走るこの区間は東京電力福島第一原発事故の影響で避難指示が出されていたため、今まで運転を再開できていなかった。今月上旬に不通区間だった夜ノ森駅、大野駅、双葉駅周辺の避難指示が順次解除され、ようやく運転再開に至った。再開された区間では、東京都区内と仙台市内を結ぶ「特急ひたち」も1日に3往復運行。東京へのアクセスも回復した。

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常磐線全線運転再開を知らせる浪江駅のホーム

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浪江駅舎内には運転再開のお祝いメッセージも

午前中は夜ノ森駅だけでなく、大野駅や双葉駅でもホームで電車を迎える人々の熱気に満ち、電車は常に遅れ気味だった。乗客たちも電車が駅で止まるたびに、ドアから顔をのぞかせて写真を撮ったり手を振ったりと、つかの間の交流を楽しんだ。車内から外の風景を動画や写真に収めている人も多く、被災地への関心の高さを伺わせた。

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開通記念Tシャツ

これで常磐線は全線開通したが、駅が使えるようになっただけで、駅前の駐車場以外いまだに帰宅困難区域に指定されているところもある。26日には東京オリンピックの聖火リレーがスタートする予定だが、まだまだ町の賑わいは取り戻せていない。今回の避難指示解除と常磐線の運転再開を機に、さらなる復興が進むことが期待される。

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富岡駅前。聖火リレー1日目はここも通る

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夜ノ森駅周辺の帰宅困難区域