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ノーベル賞の前哨戦で日本人2名受賞 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞

ノーベル賞の前哨戦で日本人2名受賞 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞

米国に拠点を置く学術情報サービス会社のクラリベイト・アナリティクスは23日、2020年のクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を発表、日本人2名を含む24名が受賞した。日本からの受賞者は医学・生理学部門でがん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長の中村祐輔氏、化学部門で東京大学大学院工学系研究科卓越教授の藤田誠氏。

中村祐輔氏は、東京大学名誉教授およびシカゴ大学名誉教授を兼任。授賞理由は、遺伝的多型マーカーの開発とその応用による先駆的な研究とゲノムワイドな関連研究への貢献により、個別化がん治療の先駆けとなったことに対して。中村氏は1990年代から始まった国際ヒトゲノム解析計画に貢献し、国際がんゲノムプロジェクトへ発展させた。

藤田誠氏は、自然科学研究機構分子科学研究所卓越教授を兼任。授賞理由は、自然界に学ぶ自己組織化物質創成と超分子化学への貢献に対して。生体系でDNA二重らせんやタンパク質の高次構造などの分子の集合体が自発的に生成されるしくみに着目し、これらを自発的に構築する研究に取り組んできた。

同賞は学術論文の引用データ分析からノーベル賞クラスと目される研究者を選出し、その卓越した研究業績を讃える目的で行われている。ノーベル賞のうち4賞(医学・生理学、物理学、化学、経済学)と同カテゴリーで構成され、2002年からノーベル賞直前の9月に発表するようになり、今年で19回目(前身のトムソン・ロイター引用栄誉賞を含む)。昨年までに引用栄誉賞を受賞したうち54人が実際にノーベル賞を受賞している。

(写真はイメージ)