「重症=死ぬかもしれない」新型コロナの症状、想像と実際にギャップ有

コロナ中等症の症状 現役医師のツイートで認識とのギャップが話題に

関東圏を中心に日本全国で新型コロナウイルスの感染者数が増加している。その中、米国で内科医として働く安川康介氏がTwitterに投稿した画像が話題となっている。

安川医師が投稿したのは、軽症や中等症に対する「世間と医療従事者との認識の差」を表した図解だ。

「『若者は重症化しないからワクチンは必要ない』と言う人がいます。日本の『重症』の定義は人工呼吸器や集中治療が必要な状態です。軽症や中等症といってもピンとこない方もいるので、スライドを作ってみました」(安川康介医師のTwitterより)

図を見ると、中等症の場合、「一般の方が抱くイメージ?」では「息苦しさは出そう」だが、「医師が持つ実際のイメージ」では「肺炎が広がっている」「多くの人にとって人生で一番苦しい」とある。さらに重症に至っては、一般的なイメージだと「入院は必要だろう」だが、医師側からは「助からないかもしれない」と深刻な状況だと描かれている。

この図解から、世間がイメージする新型コロナの症状と、現場医師が目の当たりにしている実際の病状の間には、大きな差があることがうかがえる。

「日本のコロナの重症患者数は少ないと感じる人がいるかもしれません。知ってもらいたいのは、日本の「重症」は、アメリカの「重症」よりも、もっと重症だということです。国により重症の定義が異なります。例えば、東京都の「重症」は、呼吸器/ECMOが必要と、アメリカの「重篤(critical)」に近いです」(安川康介医師のTwitterより)

これらの安川医師の投稿に対して、Twitter上には「ぜんぜん思っていたのと違う…」「この“ズレ”は、恐ろしいです。『コロナ疲れ』ではありますが、気をつけ続けたいです」といったコメントが返信されていた。

日本での重症度分類は「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の33ページに記載されている。

政府はこれまで「中等症以上は原則入院」だったが、8月2日に重症者や重症リスクの高い患者以外を自宅療養とする方針を打ち出した。その3日後、方針の見直しが行われ、8月10日時点では、中等症でも重症化リスクがある場合は入院対象となっている。

(画像は安川康介医師のTwitterより引用)