東京大学、産官学共同の量子コンピュータ実用化のための協議会設立

高精度データ受信可能な極微小アンテナを開発、名大

名古屋大学は17日、大規模なデジタルデータを受信可能なカーボンナノチューブ1本からなる極微小アンテナを開発したと発表した。このアンテナは従来のアンテナとは異なる原理で機能し、ナノスケールでありながら安定した高精度のデータ伝送を実現して、将来的にIoT分野への貢献が期待できる。

超小型アンテナを用いた様々なセンサーや検出応用のイメージ

名古屋大学未来材料・システム研究所の大野雄高教授らの研究グループは、受信信号を機械振動に変換してから電気信号に戻す技術に着目。カーボンナノチューブを用いることで従来は数m~数cmという大きさが必要なアンテナをナノスケールにまで小型化した。

カーボンナノチューブは炭素のみで構成されている直径がナノメートルサイズ(10-9m程度の長さ)の円筒(チューブ)状の物質。強固な化学結合によって形作られているために安定しており、強度が鋼の約20倍という堅い物質だ。

今回作成した機械振動子アンテナは、1本のカーボンナノチューブからなるアンテナが小さな空間を介して微小電極と対向している構造である。微小電極とカーボンナノチューブ間に直接電圧をかけることで、カーボンナノチューブ先端から電子が飛び出して電流が流れる。

ここに外部から信号(電磁波)が照射されると、カーボンナノチューブ内の電子に静電気力が働いて、到来した信号に合わせてカーボンナノチューブが機械的に振動する。この振動によって微小電極との距離が変化するので、流れる電流に到来した信号の情報が反映される。

 

a.電子顕微鏡で撮影したナノスケールアンテナの写真 b.直流電圧をかけた際のアンテナのイメージ c. 信号を受信し、屈曲した際のアンテナのイメージ

作成したアンテナを用いて実際にカラー画像のデータを受信した際の動作を実証したところ、従来からのデジタル通信技術を組み合わせることで、高い精度でデータの受信が可能であることが確認できた。

デジタル情報伝送実証に使用したカラー画像と受信結果。受信結果①:符号誤り訂正を組み合わせて復元された画像。受信結果②:符号化技術を使用しなかった際の復元画像。

この技術は、将来的に通信システム、人や物を検知するセンシングデバイスの超小型化を介してIoT分野への貢献が期待されるという。この成果は1022日付科学雑誌「ACS Applied Nano Materials」にオンライン掲載された。

画像提供:名古屋大学

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