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高専生による事業創出コンテスト「DCON2023」 最優秀賞は山口県大島商船高専

日本ディープラーニング協会は、ものづくりの技術とディープラーニング(深層学習)を活用して企業の評価額を競うコンテスト「第4回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2023(以下、DCON2023)」の本選を、4月28~29日に開催した。二度の予備審査を勝ち抜いた高等専門学校(以下、高専)の生徒による10チームが出場し、事業化も想定してプレゼンテーションを行った。最優秀賞は山口県の大島商船高等専門学校が受賞した。

各チームは本選に向けて、作品の開発を指導するアドバイザーや起業家などが務めるメンターの指導を受け、自分たちのビジネスプランを磨き上げてきた。本選では各チームが発表を行い、それに対して東京大学大学院教授の松尾豊氏らによる技術審査や、現役投資家などが務める審査員によるビジネスプランの評価が行われた。

最優秀賞を受賞した大島商船高等専門学校のチームは、養殖業において大きな魚ばかりが餌を食べてしまい小さな魚が育たずロスが発生する問題に着目し、水中ドローンなどを利用したAIソリューション「Smart Searcher NEO」を開発した。「Smart Searcher NEO」はYOLOv7の技術を活用して小さい魚を検出し、ホログラムで魚をおびき寄せ、水中ドローンで均一に給餌するシステムだ。

今回は真鯛のいけすで実証実験を行ったが、ディープラーニングのモデルを作れば鯛以外の魚にも養殖の効率化が見込めるとしている。企業評価額は3.5億円とされ、起業資金として100万円が贈呈された。

他にも、プラスチックが循環する社会を目指し、プラスチックの材質判別機を用いてゴミ分別・洗浄することでマテリアルリサイクルを推進する事業アイデアなど、さまざまな社会課題の解決を目指した発表が行われた。また、今回は初めて海外からモンゴル科学技術大学付属高専が参加した。

DCON2023の実行委員長である松尾豊氏は「スタートアップの必要性の認識や高専への期待は高まっており、実際に高専の先輩起業家は事業を順調に伸ばしているため、日本経済を発展させてほしい」と激励した。

画像提供:日本ディープラーニング協会