国産初のジェット旅客機MRJ 初めて空を舞う

国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の飛行試験機初号機による初飛行が11日、無事に行われた。三菱航空機および三菱重工業が2008年から開発してきた。国産旅客機の初飛行は、戦後初の国産プロペラ旅客機であるYS-11が1962年に初飛行して以来53年ぶり。

開発拠点のある愛知県の県営名古屋空港を午前9時35分に離陸した後、太平洋上の自衛隊の訓練空域で上昇や下降、左右の旋回など基本的な性能確認を約1時間半かけて実施した。三菱航空機の森本浩通社長は、「これまでの皆様の多大なるご協力により、本日MRJは無事、大空に飛び立つことができた。今後、さらに気を引き締め、型式証明取得、初号機納入に向け邁進していく」と述べた。

両社は今後、国内でさまざまな条件での本格的な飛行試験を重ね、2016年第2四半期からは米国での飛行試験も行い、2017年第2四半期に量産初号機の全日本空輸(ANA)への納入を目指す。

リージョナルジェットは50~100席クラスの小型ジェット機で、大型、中型のジェット機よりも低騒音で滑走路も短い特徴がある。MRJは90席クラスと70席クラスの2種類がある。最新の空力設計・騒音解析技術と、米プラット・アンド・ホイットニー社製の次世代エンジンによって燃費低減と騒音や排出ガスを削減。三菱重工はこのクラスのジェット旅客機の市場規模は、今後20年間に全世界で5000機以上と見込んでいる。