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キンダーショコラーデ騒動 ドイツ代表子供時代の写真をめぐり人種差別

6月10日からフランスで開催されるサッカー欧州選手権(ユーロ2016)を前に、関連商品が市場にあふれる中、チョコレートのパッケージをめぐってドイツで騒動が起こっている。24日付のツァイト・オンライン版が伝えた。

ドイツのスーパーで昔からおなじみのチョコレート、キンダーショコラーデ。パッケージに金髪で青い目の男の子のポートレートがあしらわれた、子ども向けミルクチョコレートだ。このキンダーショコラーデがユーロ2016に合わせ、ドイツ代表選手11人の子ども時代の写真を使用するという限定バージョンを発売した。

ところがこれに対し、「欧州のイスラム化反対」を標ぼうする排外主義的グループ「Pegida」支持者たちが、フェイスブック上で扇動的な中傷を展開。標的になったのは、従来のパッケージでおなじみの「ドイツ的」容姿からかけ離れた、ジェローム・ボアテング選手とイルカイ・ギュンドアン選手の2人だった。バイエルン・ミュンヘン所属のボアテング選手は父親がガーナ出身、ドルトムント所属のギュンドアン選手はトルコ出身。フェイスブック上では、「これを売るつもりなのか? 何かの冗談?」「将来テロリストになる子どもの顔?」などといった心無いコメントが書き込まれ、シェア件数は瞬く間に200以上に上った。しかし批判にさらされ、投稿はすぐに削除された。

これに対し、ドイツサッカー協会(DFB)のグリンデル会長は「ドイツ代表チームは、移民と共存するドイツ社会のよき象徴。我々はすべてのドイツ代表選手を誇りに思っている。今回のような悪趣味なコメントに対しては多くを語る必要はない」と述べている。一方、子どもの写真に対する人種差別的中傷への抗議行動として、ツイッター上では「#cutesolidarity」と題したハッシュタグが登場。さまざまな人種国籍のユーザーが自分の子ども時代の写真を投稿している。

(冒頭写真:キンダーショコラーデのユーロ2016バージョン。左からドイツ代表のポドルスキ、ギュンドアン、ボアテング選手)

キンダーショコラーデ騒動 ドイツ代表子供時代の写真をめぐり人種差別
中傷にさらされたボアテング選手(上)とギュンドアン選手(下)の写真

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オリジナルのキンダーショコラーデ。金髪で青い目の「典型的な」容姿のドイツ人の子どもがモデルに使われている

 
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