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読書をしない子ども10年で1.5倍 保護者の学びとの相関も明らかに

ベネッセコーポレーションは20日、1027日から始まる読書週間に向けて、東京大学社会科学研究所と共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」の結果を公表した。読書をしない子どもは10年前より1.5倍増加した一方で、保護者が学んでいると子どもも読書をする傾向が明らかになった。

小学生から高校生までで、1日の中で読書を「しない」(0分)という子どもは52.7%と半数を超え、10年前と比べて1.5倍に増加した。今回の調査では読書に「電子書籍を含む」としたが、いずれの学校段階でも読書時間は減少傾向にある。

読書時間の変化(2015年、24年)

一方、スマホを使う時間はいずれの学校段階でも増加しており、スマホ時間が長い子どもほど読書時間が短い傾向がみられた。

スマホ時間別の読書時間(2024年)

また、保護者への調査で、読書をしない子どものうち、自分の能力を高めるための勉強をすることが「ある」と答えた保護者の子どもは48.9%だったのに対して、「ない」と答えた保護者の子どもは56.0%だった。保護者の日常的な学びに対する姿勢と子どもの読書時間に関連がみられた。

保護者の学びの機会別の子どもの読書時間(2024年)

調査結果を受けて、ベネッセ教育総合研究所 主席研究員の木村治生氏は次のようにコメントした。「私たち大人も、日常的にスマホの世界に没頭し、知らず知らずのうちに思考や学びをスマホ任せにしてしまっていないか、今一度、見直す必要があります。AI時代であっても、情報を選び、意味を読み取り、考え、判断するのは人間自身です。周囲の大人が知的な活動に関心を持ち、課題を主体的に考えて解決しようとする姿勢を見せることは、子どもにとって大きな手本となります」。

同調査は2015年以降、毎年7~9月に実施され、2024年は小学1年生から3年生までの保護者、および小学4年生から高校3年生までの子どもと保護者12,242件の回答があった。

画像提供:ベネッセコーポレーション(冒頭の写真はイメージ)