「国会をもっと身近に」 AI法案サイト『みらい議会』で法案議論を可視化

新党のチームみらいは16日、プラットフォーム「みらい議会」を公開した。同サービスは「国会でいまどんな法案が検討されているか、わかりやすく伝える」ことを目的としており、専門的で複雑になりがちな法案情報をAI技術を活用して平易に可視化する試みだ。

チームみらいが国政政党となってから80日目にあたる10月16日、同党が参議院選挙で掲げた「100日プラン」の一環として公開された。先行して発表された政治資金可視化ツール「みらい まる見え政治資金」に続き、「社会実装を爆速で遂行する」取り組みの第二弾となる。

「みらい議会」は、国会で審議されている法案を一覧表示し、各法案のステータス、改正のポイント、背景、賛否両論、影響を受ける層、そしてチームみらいとしての立場を一目で確認できる仕組みを備えている。

機能面では、①平易な表現と専門用語の切り替え、②AIアシスタント、③ルビ機能の三つに力を入れている。ユーザーは法案を「やさしく」読むモードと「詳しく」読むモードを切り替えられ、AIとの対話によって理解を深めることができる。ワンクリックで全文にルビを振ることも可能で、多様な読者に配慮した設計となっている。

党首の安野貴博氏はYouTubeの公式チャンネルで、国会情報の形式的公開にとどまる現状に問題意識を示し、「情報はあるが有権者に届いていない。今何が議論されているのか、どの段階にあるのかが分かりづらく、市民が政治に距離を感じる要因になっている。テクノロジーの力でその壁をなくしたい」と語った。

開発者の村井謙太氏も「AIの力で、難しい法案を自分でも理解できる体験をしてほしい。やさしく読んで、さらに詳しく知るというステップを踏むことで、政治への理解が深まる」と述べ、ユーザー中心の設計思想を強調した。

今後は、法案情報の提供にとどまらず、「国民の意見を政治に届けるプラットフォーム」として機能拡充を進めるという。台湾の参加型政策プラットフォーム「JOIN」を参考に、市民が法案に対する意見を投稿し、賛同が一定数集まると議員が国会で取り上げる仕組みの導入を目指している。安野氏は「国民の声が直接、政治に届く仕組みを『みらい議会』に組み込みたい」と展望を語った。

同党は、デジタルと政治を融合させ、情報の理解可能性を高めることで、民主主義の新たな形を提示しようとしている。「みらい議会」は、その第一歩として、市民と政治をつなぐ新たな試みとなりそうだ。

画像提供:チームみらい