空気中の水分を効率よく回収・放出できる、新しい吸湿剤を開発、大阪公立大

寄生生物で赤潮プランクトンを除去する方法を開発 東北大学など

東北大学は16日、赤潮の原因である植物プランクトンのカレニア・ミキモトイに寄生して食い尽くす植物プランクトンを世界で初めて発見したと発表した。このプランクトンの分離・培養に成功するとともに、室内培養実験でカレニア・ミキモトイのみに対する高い殺藻効果を持つことを確認した。今後さらに研究を進めることで赤潮プランクトン除去法の開発が期待できる。

赤潮は海水中で特定のプランクトンが異常発生して水の色が赤く変化する現象。日本近海では春から夏にかけて赤潮が発生し、発生規模によっては、生け簀などで養殖される魚介類の大量死が起こることがある。日本沿岸の過去30年における漁業被害の金額の総額は90億円にものぼるという。アジア圏を中心に世界中の海域で赤潮の原因となるのはカレニア・ミキモトイ(Karenia mikimotoi)という遊泳性をもった植物プランクトンの一種で、魚類や貝類などの海洋生物を大量死させる強い毒性を持つ。

東北大学、大阪府立環境農林水産総合研究所、水産研究・教育機構、北海道立総合研究機構の研究グループは2020年に赤潮プランクトンであるカレニア・ミキモトイに寄生する植物プランクトンを発見した。この寄生プランクトンは赤潮プランクトン以外の無害なプランクトンには寄生しない特徴を持つ。同グループは5年以上に渡って、この寄生プランクトンの詳細な研究を行ってきた。

寄生プランクトンは赤潮プランクトンの細胞内に侵入すると、赤潮プランクトンの栄養を吸収して増殖する。寄生の終期には増殖した寄生プランクトンが赤潮プランクトンの細胞を突き破り外に出て、新たな赤潮プランクトンに寄生していく。この一連のサイクルは3~4日で完結する。室内培養実験では、寄生プランクトンを添加した場合には赤潮プランクトンの増殖が大幅に抑えられることが示された。

今後は、この寄生プランクトンを「天敵生物」として利用することによって、全国で発生する赤潮プランクトンの防除法の開発が期待できるという。

寄生プランクトンが赤潮プランクトンに寄生する様子

赤潮プランクトンと寄生プランクトンの培養実験

画像提供:東北大学(冒頭の写真はイメージ)