
ソーラーシェアリング下の収量調査、水稲は影響小さく 千葉大学
千葉大学の研究グループは、農地の上で発電を行う営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)のパネルの下で水稲、ダイズ、サツマイモを栽培し、パネルの有無が収量に与える影響を調査した。その結果、水稲は生産に影響がほとんどなく、大豆やサツマイモは減収することが分かった。論文が国際学術誌で公開された。
営農型太陽光発電は、農地の上の通常より高い位置に太陽光パネルを設置し、その下で作物の生産を行うことで、農業と再生可能エネルギーの生産を両立する方法である。土地利用率が高く農家の収益向上につながるとして、近年アメリカやヨーロッパでも注目されている。日本では2022年度までに累計約5,351件の営農型太陽光設備の農地の一時転用許可が出ており、設備の下部農地面積は約1,209ヘクタールに達している。しかし、太陽光パネルによって日照がある程度遮られるため、どのような作物が栽培に適しているのかははっきりとはわかっていない。特に日本の農地の大部分を占める水稲、ダイズ、イモ類などを対象にした研究は少なく、作物の種類や品種、栽培方法による違いを比較する研究は今までなかった。
研究グループは2024年、千葉県の複数の農業法人の協力を得て、水稲(もち米)やダイズ、サツマイモを太陽光パネルの下とパネル外で栽培し収量を比較した。調査の結果、水稲はパネルの下で栽培したものはそうでないものと比べても収量が5%の減少にとどまり、統計上有意な差はみられなかった。理由としてはパネルが日傘のような役割をして、猛暑の影響が緩和された可能性が考えられる。一方、ダイズの収量はパネルが33%覆う畑で31%減少、サツマイモはパネルが31%覆う畑で40%減少した。収量の減少度合いはパネルが覆う割合によって変化することがわかった。また有機栽培でサツマイモを栽培したところ、遮光の影響は品種によって異なることもわかった。 今回の研究により、太陽光パネルの下でどのような作物をどのように栽培するのが良いかという問いに対して、具体的な案の一端が明らかになった。ただし、作物の収量は地域や年度によって大きく変動するため、より多地域・長期で検証を続ける必要がある。今後は営農型太陽光発電に適した栽培体系を確立するためにも、調査対象の作物や品種、栽培方法をさらに検討していくとしている。


画像提供:千葉大学(冒頭の写真はイメージ)

