光で「分解」を自在にオンオフできる新プラスチック材料を開発 阪大など

大阪大学などは26日、光を当てることで分解を進めたり止めたりできる新しいプラスチック材料を開発したと発表した。プラスチックに求められる「使うときは丈夫で、不要になれば分解できる」という、これまで両立が難しかった性質を実現する技術だ。この研究成果は米国化学会誌に掲載された。

プラスチックは便利な一方で自然界では分解されにくく、廃棄後に長く残ることが環境への大きな負荷となっている。分解しやすい素材の開発も進んでいるが、一般に「丈夫にすると分解しにくく、分解しやすくすると弱くなる」という課題があり、丈夫さと分解しやすさの両立は難しかった。

今回、大阪大学、山形大学、科学技術振興機構の研究チームは、材料の内部に「動く分子の輪」のような構造(可動性架橋)を組み込むことでこの課題を解決した。

同研究チームは、ドーナツ状の分子が高分子の鎖を包み込んだり外れたりすることで、分解を担う酵素が近づきやすくなったり、逆に近づきにくくなったりする仕組みを開発。

さらに、この動きを光で制御できるようにしたことで、特定の波長の光を当てると分解が進み、別の波長の光を当てると分解を抑えることも可能になった。つまり、分解の「スイッチ」を、光によって自在に切り替えられるようにしたのだ。

実験では、分解を促す条件では6日間で完全に分解される一方、分解を抑える条件では約57%が残ることが確認されたという。また、光を当てる場所を選ぶことで、材料の一部だけを分解させることも可能で、表面にQRコードの模様を描いて浮かび上がらせることにも成功した。

同チームは、この技術はプラスチックごみ問題の解決に向けた次世代材料として期待されるほか、医療や情報記録など幅広い分野への応用も見込まれるとしている。

光照射による酵素分解の制御と局所的な光照射によるパターン生成

画像提供:大阪大学(冒頭の写真はイメージ)