48光年先の惑星に大気の証拠 生命探査へ新たな一歩

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)などの国際研究チームは7月16日、地球から約48光年離れた系外惑星「LHS 1140 b」に大気が存在することを示す有力な証拠を、科学誌『Science』で発表した。ハビタブルゾーンにある岩石惑星で、大気の存在を示す証拠が得られたのは初めてで、地球外生命の探査につながる成果として注目されている。

LHS 1140 bは、くじら座の方向にある赤色矮星を約24.7日で公転する「スーパーアース」と呼ばれる惑星で、地球の約1.7倍の半径と約5.6倍の質量を持つ。研究チームは2024年、チリのラス・カンパナス天文台にあるマゼラン・クレイ望遠鏡と近赤外分光器「WINERED」を用いて観測し、惑星の上層大気から宇宙空間へ流出するヘリウムを検出した。ヘリウムは重力だけでは長期間保持しにくいことから、その検出はLHS 1140 bに現在も大気が存在することを示す有力な証拠と考えられている。

惑星表面で液体の水が存在できる温度範囲となる恒星からの距離である「ハビタブルゾーン」に位置していても、生命が誕生・維持できるとは限らない。特に赤色矮星では、フレア活動による紫外線やX線、恒星風が生命に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、LHS 1140は比較的活動が穏やかな恒星と考えられており、厚い大気が放射線の影響をどの程度和らげるのかが今後の重要な研究課題となる。

さらに今後は、NASAが2040年代の打ち上げを目指す次世代宇宙望遠鏡「Habitable Worlds Observatory(HWO)」による観測が期待される。2026年7月に公表された技術開発計画では、地球型惑星を直接撮影し、大気中の酸素やメタンなど、生命活動に由来する可能性のある物質(バイオシグネチャー)を観測する技術の開発が進められている。LHS 1140 bの成果は、生命が存在できる環境を持つ惑星を探す段階から、その大気を調査して生命の兆候を探る段階へと研究が進みつつあることを示している。

画像提供:Melissa Weiss/CfA