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子どもの夏休みに多様な体験を 企業や財団による支援広がる

学校が夏休みに入り、企業や各種団体による子どもの体験格差解消に向けた取り組みが各地で広がっている。家庭環境や地域による体験機会の偏りを減らし、多くの子どもに学びや思い出の場を提供することが狙いだ。学校給食がなく、体験機会にも差が生まれやすい夏休みは、子どもへの支援が特に重要な時期となっている。

体験格差とは、生まれ育った家庭の経済状態や住んでいる地域などの影響により、子どもが得られる体験の機会に差が生じる状態のこと。旅行やスポーツ、文化活動といった体験は、教科書の勉強だけでなく、自分の感情をうまくコントロールする力や他者と協力する力などを育むうえで大切な役割を果たす。しかし、家庭の事情や周辺環境によってはこうした機会を得にくく、子どもの成長環境に違いが生まれる原因となっている。

まず、既存の支援枠組みや行政と企業が連携して展開する事例がある。

東急不動産と東急コミュニティー(東京都世田谷区)は、体験機会が不足しがちな家庭に無料コンテンツを届けるプラットフォーム事業「こども冒険バンク」にパートナーとして参加した。8月に実施する取り組みとして、参加型ゲームイベント「渋谷リアル・イカゲーム」や、「コスモプラネタリウム渋谷」での特別上映体験を提供し、親子の思い出づくりを支援する。

日本電気(NEC)もこども冒険バンクと連携し、川崎市や社内ボランティア組織と協働して、7月20日に小学生と保護者を対象としたワークショップを開催した。教育版マインクラフトを用いて未来の街の建物を制作する内容で、デジタル技術やプログラミングに触れる機会を設けることで、子どもたちの興味や関心を広げる場とした。

一方で、自社が持つ施設や専門知識をそのまま体験の場として提供する動きもある。

カヤック(神奈川県鎌倉市)は、自社の運営する「うんこミュージアム OKINAWA」において、7月30日と31日に地元の中学生を対象とした職業体験を受け入れた。観光業が盛んな地域において、参加した中学生はスタッフとともに接客や館内撮影の補助などの実務を体験した。テーマパークの現場で働く経験を通じて、将来の職業について考える機会を提供することを目的としている。

さらに、子ども支援を専門とする財団などによる活動もある。

安藤スポーツ・食文化振興財団(大阪府池田市)は、日本最適化栄養食協会とともに、8月30日に食育セミナーとギネス世界記録への挑戦イベントを開催する。日本財団の助成を受け、給食のない夏休みに栄養や体験が不足しがちな子ども約1万7000人に、最適化栄養食(体に必要な栄養素が適切に調整された食品)を届ける活動の一環だ。当日はプロバスケットボール選手を交え、カップヌードルミュージアム横浜の会場とオンラインで食育を学ぶ。

みやっこベース(岩手県宮古市)は、地域の子ども向けプログラムとして8月8日に「ボディ&Tシャツペインティング」を実施する。都市部と比べて体験の機会や施設が少ない課題に対応し、地域の中で自然やアートに触れる場をつくることが狙いだ。休日に自然遊びや表現活動を行うことで、保護者の負担を減らしつつ、子どもの思考力や協調性を育むことを目指している。

家庭の状況にかかわらず、すべての子どもが多様な経験を通じて視野を広げられる社会をつくるため、今後も企業や団体による継続的な支援が求められる。

画像提供:東急不動産(冒頭の写真はイメージ)