深海のプラスチックごみをAIが自動検出 解析を効率化

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は3日、深海底に沈んだプラスチックなどのごみを映像から自動で検出し、数を数えるAIシステム「DeepLitterAI」を開発したと発表した。これまで目視で行っていた長時間の映像解析を大幅に効率化し、地球規模の海洋汚染モニタリングを加速させる技術として期待される。この研究成果は国際学術誌に掲載された。

海に流れ出たプラスチックごみの多くは深海底に沈み、長期間にわたって環境に悪影響を与えると考えられている。海底ごみの量を正確に調べるには、無人探査機が撮影した長時間の調査映像を研究者が目視で確認する必要があり、膨大な時間と労力がかかっていた。

今回開発したAIシステム「DeepLitterAI」には、過去40年以上にわたる深海映像から抽出した1万2000枚以上の画像データセットを学習させた。小さく遠くに写ったごみや、岩、生物などごみと間違えやすいものも含めて学習することで、実際の調査映像からごみを検出できるようにした。

日本周辺の水深860~5600メートルで撮影した映像を使って検証した結果、専門家による目視とほぼ同じ正確さ(誤差約10%)でごみの数を数えられた。解析速度は目視による作業の平均2.1倍、最大3.1倍となり、100時間分の映像を数日で処理できる計算になる。また、映像内で同じごみを重複して数えない追跡機能も備える。

この技術により、世界各地に蓄積された深海映像から海底ごみの分布マップを迅速に作れるようになる。国際的なプラスチック汚染対策の効果を客観的に検証する手段としても活用が期待される。今後は、さまざまな海域の海底ごみ画像を学習データに加え、幅広い深海環境で安定的に機能するAIモデルの構築を進めるとしている。

研究の図解要約
大きく明瞭なごみ(左列)だけでなく、遠くて小さなごみ(右列)も正確に検出し、枠と確率で示している

画像提供:JAMSTEC(冒頭の写真はイメージ)