人工知能時代 人間にしかできない仕事とは?

人工知能(AI)の時代に、最も先に消える職業は何だろうか?
進化を続けている人工知能は、果たしてどのくらい「人間の仕事」を代替することができるのか。グーグルの「アルファ碁」とプロ棋士との対決で見えた人工知能の実力に、技術の進歩を喜ぶ一方で、脅威と感じる人も少なくないだろう。世界の各機関が行なった分析結果を見てみると、人間にしかできない仕事として、人とのコミュニケーションや創造性、専門性というキーワードが見えてきた。

<専門職、人と意思疎通が必要な仕事は生き残る>

2013年、英国オックスフォード大学が10年後に消える職業、あるいはなくなること、702個の業種を分析して発表している。人工知能を研究するマイケル・オズボーン教授が書いた「雇用の未来―我々の職業はコンピューター化にどれほど敏感か?(Future of Employment: How Susceptible Are Jobs to Computerisation?)」という論文で主張した内容で、今後10~20年後に米国総雇用者の47%の仕事がコンピューターやロボットに切り替えられ、自動化される可能性が高いということだ。

20年以内になくなる可能性が高い職業が順位別で並べられたものを見てみると、テレマーケッター(99%)、会計士(94%)、小売り販売業者(92%)、専門作家(89%)、不動産仲介人(86%)、飛行機操縦士(55%)、経済学者(43%)、健康関連技術者(40%)、俳優(37%)、消防官(17%)、聖職者(0.8%)、歯科医師(0.4%)などの順だった。

また、2015年に日本の野村総合研究所と英国オックスフォード大学の研究チームは、日本国内の職業600社のうち、49%が人工知能またはロボットで代替可能と分析した。代替可能性が高い職業は一般事務職、タクシー運転手、スーパーのレジ、警備員などで、代替可能性が低い職業は医者、教師、研究員、観光ガイド、美容師などだった。専門職や、人と意思疎通が必要な仕事は生き残るものと見られている。

<人とのコミュニケーション、創造性がカギ>

グーグルの囲碁対決ソフト「アルファ碁」とイ・セドル棋士の対決が行われた韓国でも人工知能に対する関心が高まっており、韓国雇用情報院は24日、韓国の職業群について同様の分析結果を発表した。韓国の主な職業400社のうち、人工知能とロボット技術などを活用した自動化が雇用に及ぼす影響を分析した。今回の分析には英国のオックスフォード大学で未来技術の影響を研究するカール・ベネディクト・フレイとマイケル・オズボーン教授が提案した分析モデルを活用した。

分析の結果、自動化によって職務の相当部分が人工知能とロボットによって代替される危険が高い職業はコンクリート工、精肉員や屠畜員、ゴムおよびプラスチック製品組み立て員、請願警察、租税行政事務員などの順だった。環境美化員、宅配員、注油員、不動産コンサルタント、補助教師、育児の手伝い、駐車管理員なども、消える可能性が高い上位30位圏内に入った。

これらの職業は業務を遂行するため、単純反復的かつ精巧さが落ちる動作や、人とコミュニケーションすることが相対的に少ないのが特徴だ。このほかにも、損害査定人(40位)、一般医師(55位)、管制官(79位)などの専門職も、職務代替確率が相対的に高いことが分かった。

一方、画家や彫刻家、写真作家及び写真師、作家および関連専門家、指揮者・作曲家および演奏者、アニメーター及び文化家など感性に基づく芸術関連の職業は、自動化による代替確率が低かった。振付師、歌手、メークアーティスト、ファッションデザイナー、監督、俳優やモデル、大学教授、手品師、小学校教師、物理治療士、臨床心理士なども人工知能時代に生き残る職業と分析された。

人工知能で代替されやすい職群には、16つの職群のうち会計・財務・税務が67.5%として1位に挙げられ、一般事務職(54.4%)、運送・物流・配送(51.9%)などが後に続いた。一方、営業(12%)、放送・言論・メディア(15.7%)、建築・空間デザイン(20.2%)は相対的に代替されにくい職群とされた。

人工知能が代替できない人間の能力では、創造力(64.7%)が圧倒的な選択を受けた。 運営・管理力(8.8%)、推進力(14%)は代替可能性が高いと予想した。

 

(写真はイメージ)

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