カメによる列車輸送障害を解決 JR西と須磨海浜水族園

JR西日本は24日、須磨海浜水族園(神戸市須磨区)と協力して、カメによる列車輸送障害を防ぐ技術を開発したと発表した。これまでも、毎年夏になるとポイント(分岐器)にカメが挟まり、列車に遅れが生じることが度々問題になっていたが、同園の調査・検討によって、これを回避する技術を確立した。その結果、例年事象が多発していた和歌山線の五位堂駅付近での発生件数が、今年はゼロとなった。

列車の遅れを防ぐとともに、カメの事故死を減らす技術を誕生させることができたことについて、須磨海浜水族園は「JR西日本と当園、両者ともに、なんとなくさわやかな気持ちになりました」と述べている。

原因は次の通り。カメが踏切を渡るときに2本のレールの間に落ちると、カメはレールに沿って歩くしかなくなる。ポイントにたどり着いたカメが可動部の隙間に入り込む。ポイントが切り替わる際にカメが挟まったままになり、信号は赤のまま変わらなくなる。その対策として今回、同園は線路の下にU字溝を埋めて、カメがポイントにたどり着く前に落下させて確保するという方法を提案した。実際に装置を設置したところ、今年4月から8月の間に10匹のカメを保護したため、おおよそ10回の列車輸送障害を未然に防げたと考えられる。

カメによる列車輸送障害を解決 JR西と須磨海浜水族園

画像提供:JR西日本