グッドデザイン大賞2016 「均等な世界地図」が受賞

28日、「2016年度グッドデザイン大賞」が発表された。大賞を受賞したのは、慶應義塾大学政策・メディア研究科の鳴川研究室とオーサグラフによる「世界地図図法 オーサグラフ世界地図」。面積や形の歪みを極力抑えて描画した世界地図で、球面上の地理関係を適正に表現しているところが評価された。

現在普及している世界地図では、球面上の地形を長方形の紙に転写したメルカトル図法が多く用いられている。この図法の欠点は、南極大陸やグリーンランドなど極地の地形の歪みが大きいところ。面積の歪みを極力なくした図法も試みられてきたが、海洋を分断して描画せざるをえないという問題点があった。

今回受賞したオーサグラフ世界地図は、球面上の地形をまず正四面体に転写し、その正四面体を切り開いて展開することで、歪みが少なく、陸地も海洋も途切れずに表現できる平面地図を実現した。地図の縁どりは、長方形、平行四辺形、三角形などいずれの形でも可能。オーサグラフという名称は、「authalic(オーサリック=面積が等しい)」と「graph(グラフ=図)」からつけられたという。

グッドデザイン大賞2016 「均等な世界地図」が受賞
オーサグラフ世界地図(画像提供:日本デザイン振興会)

受賞した鳴川肇氏は「地図図法のような、すぐには理解しにくく説明が必要なデザインだが、理解して投票していただけたことに大変感謝している」とコメント。グッドデザイン賞審査委員長の永井一史氏は、「われわれは地図によって世界を認識しているが、440年前のメルカトル図法から変わらないマインドセットの中に捉われている。オーサグラフという新たな世界の見方によって、現代の『どこが中心ともいえない、多極な世界』の捉え方を提示された」と評価した。

同賞の応募総数は近年最多の4085件となり、9月29日に1229件を選出し、そのうち6件が大賞候補として選出されていた。その後、審査員と一般からの投票によって大賞が決定した。

記者発表会(東京ミッドタウン)で表彰された鳴川氏=冒頭の写真中央

グッドデザイン大賞2016 「均等な世界地図」が受賞
地図の図法について解説する鳴川氏

参考記事
応募総数は過去最多 2016年度グッドデザイン賞発表 大賞は28日に決定(2016/10/20)

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