韓国で広がるMERS 日本でとるべき対策は?(2)

 韓国で拡大している中東呼吸器症候群(MERS)。15日時点で感染者は合計150人。また感染者との接触の可能性があり自宅隔離措置の対象となった外国人20~30人の中に日本人が含まれていることも明らかにされた。検査では全員が「陰性」だったという。

 MERSはまだ治療法やワクチンがないため、感染してしまえば対症療法をするしかないという。もし日本に伝播した場合、感染拡大を防ぐにはどうしたらよいだろうか。

 日本にMERSが入ってきても落ち着いて対応したい。基本的なことだが、感染を防ぐには、うがい・手洗いなど普段から身の回りの衛生に注意し、咳などの症状がある場合はマスクをつけ、くしゃみをする時も可能な限り口と鼻を覆い、飛沫が付着したものには触れないようにする、などの対策を徹底することが重要だ。

 海外へ行く場合にはさらに注意が必要となる。WHOはMERS発生地域では病気の動物との接触を避けるという、一般的な衛生習慣をしっかりと守るよう呼びかけている。具体的にはウイルスの存在する可能性がある農場、市場あるいは家畜小屋のある地域を訪れる場合、動物(特にラクダ)との接触を避け、動物に触れた後には必ず手を洗うことだ。

 というのは、ヒトコブラクダが感染源動物の一つであるとされているためだ。ヒトへの感染経路は明確には分かっていないが、中東のヒトコブラクダの90%がMERSコロナウイルスの抗体を保有しているという。また、サウジアラビアのコウモリからはMERSコロナウイルスと類似の遺伝子配列が検出されているため、コウモリを起源としてラクダに蔓延し、ヒトに感染したとも考えられている。

 厚生労働省は10日付で各自治体に向けて、院内感染対策の徹底や感染が疑われる患者の迅速な情報共有をすることなど、周知・協力の通知をした。感染の疑いがある患者には迅速な検査を実施し、MERSウイルス検査試薬の配布を進めるなど検査体制を整備している。万が一、感染が見つかった場合は、感染拡大を防止するため、感染者の同居家族には症状の有無にかかわらず外出の自粛などを求めている。

 2009年のインフルエンザのパンデミック(世界的大流行)が記憶に新しい。非常時にはさまざまな情報が飛び交うが、適切な機関から正しい情報を得て、冷静に判断し行動できるよう心がけたい。

 このところ世界各地で地震や噴火、大雨など、自然災害が続いて深刻な被害も多く出ている。地球が自然を通して、私たちに何かを伝えようとしているように思えてならない。

(地下鉄内の写真:韓国の市街地や地下鉄の中など公共の場所でマスク姿も見られる)

関連記事一覧