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『盆栽から人生を学ぶ ― 小林國雄の盆栽園』【後編:春花園での盆栽作り体験】

日本で3本の指に入ると言われる盆栽家、小林國雄氏。前編では小林氏へのインタビューを紹介したが、後編では春花園BONSAI美術館での盆栽作り体験について紹介する。

今回筆者は、小林氏と共に春花園を運営してきた植松氏の指導のもと、真柏しんぱくの盆栽の枝に針金を通して樹形を整える体験をした。

真柏は有名な盆栽の木で、日本の一部の場所でしか取れない貴重な木だ。昔の人は崖に登って真柏を取っていたという。

初めに、まだ小さい苗木の枝に沿って針金を巻いていく。針金を巻いたら、自分の好きな形に樹形を整える。

盆栽作りでは、苗木の時は毎日水をやり、1年に1回剪定をし、3年経ったら植え替えをする、それを何年も繰り返していくという。植松氏曰く、一度盆栽を育て始めたら、世話をしないと数日で枯れてしまうので家を長期間留守にできないという。だから盆栽家は旅行にも盆栽を持っていくそうだ。

この小さい苗木が、10年たつと30センチくらいの小さな盆栽になり、300年経つと立派な大盆栽になるという。盆栽は一代でできるものではない。何世代も代々受け継いで時間をかけて育てていくものなのだ。

外国人向けの園内のガイドでは笑いが絶えないという、植松紀夫さん
枝に沿って針金を巻いていく
針金で樹形を整える前
針金で樹形を整えた後
10〜20年程育った盆栽

取材後記

園内のあちらこちらで、訪れた外国の人達に楽しそうに解説したり、水石をあげたりしている小林さんの姿が印象的だった。辛い時期を乗り越え、人との出会いに感謝しながら、毎日真っ直ぐに盆栽に向き合い手を掛けて生きているからこそ、春花園の盆栽は生き生きと美しく育っていくのだろうと感じた。

参考サイト
春花園webサイト