韓国、MERSで渡航警戒レベル1に 米疾病対策センターが指定

米疾病対策センター(CDC)は16日、韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の感染が広がっていることから、韓国を渡航警戒地域に指定した。また22日から10日間、専門家7名を派遣して韓国側と合同での調査を開始した。

渡航警戒のレベルは3段階のうち最も低いレベル1で、「韓国への渡航計画を変更することまでは勧告しない」ものの、石鹸での手洗いや感染者との接触を避けるなどの予防策を推奨している。韓国の病院を訪れて14日以内に発熱などの症状が出た渡航者には、警戒するよう医療関係者に呼びかけた。なお、アラビア半島のMERSについてはレベル2としている。

一方、産経新聞などの報道によると、京都府立大の塚本康浩教授のグループが、ダチョウの卵を使ってMERSのコロナウィルスに強く結合する抗体を大量精製することに成功した。米陸軍感染症医学研究所で検証中だが、すでに韓国と米国でスプレー剤として量産を開始したという。治療薬としての認可はされていないため、人体に直接投与することはできない。しかし、抗体をスプレーすることで、ウィルスが抗体で覆われ人の細胞に侵入できなくなり、感染予防になると期待されている。

韓国保健福祉省は22日、MERS感染者が172人、このうち亡くなったのは27人になったと発表している。