地球由来の酸素、宇宙空間を越えて月に到達していた

地球由来の酸素、宇宙空間を越えて月に到達していた

大阪大学の寺田健太郎教授らは、日本の月周回衛星「かぐや」が2008年に観測したデータを使った研究の結果、地球由来の酸素が宇宙空間を越えて月面に届いていることが分かったと発表した。オンライン限定ジャーナル「ネイチャー・アストロノミー」で31日に掲載された。

地球由来の窒素と希ガスが月面の土壌中に存在する可能性は、それらの同位体組成に基づいて議論されてきた。しかし、月面の酸素の同位体組成は太陽風に含まれるものより5~10倍高く、謎とされていた。

地球の磁気圏は太陽風によって彗星の尾のように伸び、尾の中は地球由来の物質がプラズマ状態で満ちている。通常、月は太陽風にさらされているが、月の公転で地球の磁気圏を通り抜ける5日間だけは太陽風の影響を受けない。この磁気圏の尾のように伸びている中で、磁場が弱い中央部はプラズマの密度が濃く、プラズマシートと呼ばれている。

今回研究チームは、月がこのプラズマシートを横切り、太陽と地球、月がほぼ一直線に並ぶ時にのみ、高いエネルギーを持った酸素イオンがかなりの数見られることに着目。調べた結果、地球由来の酸素が「地球風」によって月に運ばれ、月の表土の深さ数十ナノメートルに入り込んでいると結論づけた。これは、数十億年前の地球大気が現在の月面に保存される可能性を示している。

画像提供:大阪大学地球科学部

 
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