油井さん、宇宙へ 23日午前6時2分打ち上げ

国際宇宙ステーション(ISS)第44次/第45次長期滞在クルーに任命された、油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士らが搭乗したソユーズTMA-17M宇宙船が、日本時間23日午前6時2分、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から無事に打ち上げられた。12月までの長期滞在ミッションのキーワードは「挑む」。油井さんが初飛行に挑むというだけでなく、ISSの日本実験棟「きぼう」の利用の新たなステップが始まるという意味も表している。

地上400kmの軌道上を回っているISSに到着するのは23日午前11時46分の予定で、飛行時間はおよそ6時間。以前は2日かけていたが、2013年3月のフライトから大幅に短縮された。ISS側の軌道を事前に調整し、ソユーズ宇宙船の計算能力を強化したことで、最適な軌道制御を行って実現している。

油井さんは、日本人としては5人目のソユーズ宇宙船フライトエンジニア。今回、フライトエンジニア1として船長の左側の座席に座り、ソユーズ宇宙船を操縦する船長の作業を補佐する。左側の座席とは、不測の事態の際に、船長に代わってソユーズ宇宙船を操縦する役割を担う。油井さんは航空自衛隊のテストパイロット出身でもあり、ソユーズ宇宙船を手動でドッキングさせる操縦技能は高く評価されている。

油井さんのISS滞在中、8月には日本のこうのとり5号機によるISSへの物資補給があり、ドッキングの際にロボットアーム操作を担当する。このほか、小動物飼育装置でのマウスの飼育、高エネルギー宇宙線観測(CALET)を使った宇宙線と暗黒物質の謎に迫る実験、船外簡易取付機構(ExHAM)を用いた材料・部品の宇宙環境での耐久性評価と宇宙浮遊物の捕獲実験などが予定されている。

画像提供:JAXA