霊長類の色覚は顔色を見分けるのに有効 九大などが証明

霊長類の色覚は顔色を見分けるのに有効 九大などが証明

霊長類が持つ色覚は、顔色の変化を見分けるのに適していることを九州大学などの共同研究グループが証明した。進化の過程でこのような色覚の特性を獲得したことによって、ヒトはわずかな顔色の変化から感情や健康状態を察知できるようになったと考えられる。14日、学術誌『英国王立協会紀要』オンライン版に公開された。

多くのヒトは、眼球の奥に位置する網膜に、赤、緑、青に反応する3種類の細胞を持っており、この3色の組み合わせでさまざまな色を知覚している。3色型色覚は、緑の葉の中から赤い果実や若葉を見つけるのにより適しているため、2色型色覚から進化したと考えられている。しかし、霊長類の行動や生態学的意義と照らし合わせると、顔色の変化を見分けることも3色型色覚が有効な場面として挙げられていた。

そこで研究グループは、繁殖期に顔が赤くなるアカゲザルの写真を使って、霊長類の3色型色覚が顔色の変化を捉えるのに適しているかを調べた。ヒト参加者60人に、色の見え方を変えた写真を見せて、アカゲザルのメスの繁殖期と非繁殖を見分られるかテストをした。その結果、霊長類が持っている3色型の色覚は、2色型や他の3色型よりも顔色の変化をよく見分けられることが明らかになった。ヒトが顔色から感情や健康状態などの情報を読み取ることができるのは、霊長類が持つ色覚特性によるものだと考えられるという。

今後、霊長類の進化のどの段階で色の変化が感情や状態の伝達に使われるようになったかなど、霊長類の色覚の進化の過程に迫ることが期待される。

(写真はイメージ)

 
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