ご当地自慢を探せ!(23)佐世保バーガーとレモンステーキ
長崎県佐世保市は、長崎市から車で北に約1時間半ほどのところにある。ここには異国の雰囲気漂う街並みがあり、ご当地名物といえば「佐世保バーガー」。そして隠れた名物「レモンステーキ」も見つけた。
米国風の街並みに、オランダを再現した観光名所
佐世保の観光名所といって思い浮かぶ場所は、大規模なイルミネーションや仮想現実(VR)を使ったアトラクションなどで多くの観光客が訪れるハウステンボスもその一つだろう。オランダの街並みを忠実に再現し、さまざまなアトラクションや夜景で旅行客を魅了している。そんなハウステンボスから一歩外に出てみると、佐世保の街並みなどは米国の影響を大きく受けているように感じる。佐世保は古くから旧日本海軍の軍港の一つとして栄えた町で、終戦した1945年の9月13日に連合国軍(米海軍)の掃海艦が入港して以降、米海軍(第7艦隊)と海上自衛隊(佐世保地方隊)の基地が置かれるようになった。海軍に属する米国人が、ジャズや米国風のバーを広め、昭和20年代(1940~50年代)には「ジャズの街」と呼ばれていたそうだ。
ご当地メニューといえば佐世保バーガー
そんな米国の香り漂う佐世保の名物といえば、「佐世保バーガー」だろう。実は佐世保、日本におけるハンバーガーの伝来地とされており、1950年頃に米海軍関係者からの直伝レシピを元に作り始めたのが始まりだという。当初は基地近くの米国人向けに販売されていたが、佐世保流にアレンジされて現在の「佐世保バーガー」となり、今もなお地元のソウルフードとして受け継がれている。2007年1月には佐世保バーガー認定制度も創設され、「コンセプト、独自性・主体性、信頼性、地産地消、将来性」の5つを基準に審査が行われているという。そんなこだわりのハンバーガーは、店ごとでサイズも味わいもさまざま。佐世保バーガーの特徴は、マヨネーズやソースによって少し甘口に仕上げていること。また、肉の他にもベーコンや卵を入れている店が多いようだ。そしてもう一つの特徴はそのボリューム。あごが外れるくらい口を開いてかぶりつくのがやっとのサイズ。本場・米国にも負けない佐世保の味だ。
また市内レストランでもう一つ、特徴的なメニューを見つけた。「レモンステーキ」だ。これも佐世保に来たらぜひとも試したい料理の一つだ。薄切りの牛肉ステーキの上に醤油ベースの和風ソースがかかり、その上にスライスレモンが載っている。こちらも米海軍から伝えられたステーキだったが、まだ当時あまり一般的ではなかったため、それを日本人に食べやすいようにアレンジしたものだそうだ。
軍港という土地柄、独特の雰囲気が漂う佐世保。長崎を訪れた際には少し足を伸ばしてみては。