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【ノーベル賞2017】化学賞にスイス・米・英の3氏 生体分子の立体構造解析

【ノーベル賞2017】化学賞にスイス・米・英の3氏 生体分子の立体構造解析

スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞を発表。電子顕微鏡を使って、タンパク質などの生体分子の立体構造をより生体内に近い状態で観察する手法を開発した3氏が選ばれた。

受賞したのは、スイス・ローザンヌ大学のジャック・デュボシェ名誉教授、ドイツ出身で米コロンビア大学のヨアヒム・フランク教授、英MRC分子生物学研究所のリチャード・ヘンダーソン博士の3人。水溶液中の生体分子の構造を高解像度で画像化する「クライオ電子顕微鏡」を開発した功績が評価された。

タンパク質に代表される生体分子は、巨大で複雑な構造をしている。創薬分野などでは、タンパク質がどのような構造と機能を持っているかを調べ、小さな分子がタンパク質のどの部位にどのように作用し、生体にどのような影響を与えるかを調べる必要があるため、3次元構造の解析が重要な役割を果たしてきた。ただし従来、電子顕微鏡では高エネルギーの電子ビームを照射するため観察対象の生体分子が破壊されてしまうほか、真空中で観察する必要があるため溶液が蒸発してしまうといった課題があった。

ヨアヒム・フランク氏は、1975~86年にかけて電子顕微鏡でさまざまな向きの生体分子の2次元画像を多数撮影し、重ね合わせることで3次元構造を捉える画像処理方法を開発。ジャック・デュボシェ氏は、1980年初頭に水中の生体分子を撮影する手法を開発した。試料を含む水溶液をメッシュに含ませ、マイナス196度で急速に固めることで、分子が溶液中でとっている構造を維持したまま観察する手法を開発した。1990年には、リチャード・ヘンダーソン氏が、電子顕微鏡を使ってタンパク質の3次元構造画像を作ることに成功。これらの手法がさらに最適化され、2013年には、原子レベルの解像度を実現した。

冒頭の画像:左側が2013年以前、右側が現在の技術で原子レベル解析した生体分子の3次元構造(出典:スウェーデン王立科学アカデミー)

 
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