今年はトキ5羽が無事育つ 多摩動物公園

多摩動物公園生まれのトキが佐渡へ移動

多摩動物公園(東京都日野市)で2017年に誕生したトキの幼鳥5羽が26日、佐渡トキ保護センターに移動した。また繁殖期に向け、両施設で育った成鳥のオスが1羽ずつ交換された。

同園は2007年から国の保護増殖事業計画に基づいてトキの飼育を始め、10年連続で繁殖に成功している。今回佐渡トキ保護センターへ移動した幼鳥5羽は、今後の放鳥計画に組み込まれる予定。成鳥オスの入れ替えは来年の繁殖期に向けてペアを入れ替えるため。

トキ保護増殖計画では、鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅の危機を回避するため分散飼育している。佐渡トキ保護センター、野生復帰ステーションと全国5つの分散飼育地を合わせて、今年の繁殖期は9月7日現在、国内で46羽のトキが育っている。

トキはペリカン目トキ科。野生のトキは20世紀初頭まで東アジア一帯に広く分布していたが、乱獲と生息環境の悪化で中国を除き絶滅した。その後、保護活動や野生復帰の取り組みにより現在は中国陝西省の洋県と寧陝県付近、日本では新潟県佐渡付近のみ、野生が生息する。

(写真はイメージ)