令和時代の幕開け 希望の花開くことを願って…

令和時代の幕開け 希望の花開くことを願って…

2019年5月1日、新天皇即位と同時に、「平成」時代が幕を閉じ、新元号「令和」がスタートした。令和は最古の元号「大化」から数えて248番目となる元号で、憲法史上初めて天皇生前退位に伴う改元となる。

4月1日に新元号が発表されてから1カ月が経過。東京商工リサーチが保有する企業データベースでは、1カ月前にはゼロ件だった、社名に漢字「令和」を含む企業が、4月26日までに全国で73社になったことがわかった。新元号を決める条件の一つは「それが俗用されていないこと」であるため、事前にそのための調査が徹底的に行われる。「令和」は元号発表前の既存の社名にも地名にも存在していなかった。ちなみに社名に「平成」を含む企業は現在1270社あり、これも元号が平成になってからつけられたものがほとんど。これからは、「令和」に由来する企業や商品の増加が見込まれる。

新元号「令和」の典拠となったのは、万葉集第5巻の中に歌われている「梅花の歌」三十二首の序文。その宴が開かれた、当時の大宰府長官大伴おおともの旅人たびとの邸宅があったとされる場所の一つ、太宰府市の坂本八幡宮や太宰府天満宮では、新元号の発表以降、参拝者が増加。出典となった序文が収録された『万葉集―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)の売り上げは急上昇し、4月30日現在、アマゾンのベストセラーランキング1位を獲得している。

初春しょしゅん令月れいげつにして、気淑きよく風やわらぎ、梅は鏡前きょうぜんの粉をひらき、蘭は珮後はいごこうかおらす」(書き下し文)

「四季折々の美しい自然、日本の国柄を次の時代へと引き継いで」「厳しい寒さの後に春の訪れを告げる梅の花のように、願いを込め明日への希望をもって花を咲かせる日本でありたい」との願いが込められているという。人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、希望に満ちた新時代のスタートとなることを願う。

(写真はイメージ)
 

元号の日 改元を前に振り返る歴史【ニュースのコトバ解説】

気になる新元号 いつどうやって決まる?【ニュースのコトバ解説】