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「石巻リボーンアートフェスティバル」アート・音楽・食の総合芸術祭、開催中

「石巻Reborn-Art Festival 2021-22―利他と流動性―」の後期日程が8月20日から始まった。同イベントは東日本大震災の被災地である石巻を中心として、「Reborn-Art=人が生きる術」をキーワードに2017年に始まった「アート」「音楽」「食」の総合芸術祭だ。3回目となる今回はコロナ禍を見据え2期に分け、前期日程は昨夏に行われた。後期日程は今年4月頃の開催予定だったが延期され、待ちに待っての開催となった。

「他人の利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと」を意味する「利他」をテーマに含め、東日本大震災から10年という節目、またコロナ禍や戦争など不安の状況下において、「多様な表現を通じて、未だ見たことのない新世界」をアートによって目指しているという。

同イベントは石巻中心市街地エリアや復興祈念公園周辺エリア、牡鹿おしか半島の桃浦・荻浜エリアなど5つのエリアに分かれて、21組によるアートが屋内外に展示されている。また会期中、音楽セッションや食を通じてより深く石巻に出会うこともできる。

今期のキービジュアルにもなっている「サーフ・エンジェル(仮設のモニュメント2)」。小谷元彦氏の作品で、使われなくなった旧水産加工場の中に展示されている。天井に届きそうなほどの大きさ。
石巻南浜津波復興祈念公園の中にある津波伝承館のガラスに書かれた「半透明な森」。森の木々や動物たちが描かれている。内側から見ると太陽の光を透過してステンドグラスのように見える。弓指寛治氏作。
牡鹿半島の桃浦・荻浜エリアの「Cloud pavilion(雲のパビリオン)」藤本壮介氏作。隣には本イベントが運営する「はまさいさい」という食堂がある。会期中のみ開店しており、宮城県産の食材を使ったカレーや海鮮丼を食べることができる。
「はまさいさい」から海沿いの小道を歩いてたどり着く常設作品「White Deer(Oshika)」名和晃平氏作。
その隣には予約制のレストラン「Reborn-Art DINING」がある。音楽のライブセッションの会場となる。
常設作品「淡」久住有生氏作。桃浦を一望できる高台に設置されている。
石巻中心市街地エリアの旧店舗の中に作られた、震災当時の様子や昔あったまちの様子などを絵や短い文で表現した作品。朝吹真理子氏と弓指氏の共同制作。

石巻中心エリアは徒歩で鑑賞でき、漫画家石ノ森章太郎氏とゆかりのあることから建てられた「石ノ森萬画館」や、石巻の土産物が並ぶ「いしのまき元気いちば」など、観光スポットもあわせてめぐることができる。牡鹿半島は車での移動が必須となるが、バスで効率的に作品鑑賞ができる「リボーンアート・ツアー」も開催されている。

北上川の中州に立つ石ノ森萬画館。石ノ森章太郎がデザインした宇宙船。

開催概要

会期:2022年8月20日(土 )~10月2日(日)

休祭日8月24日、9月7日、9月14日

会場:宮城県石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・萩浜、鮎川)

観覧料:一般3500円、高校生・大学生・高専生3000円、宮城県民2000円(会期中は何度も鑑賞可能)

主催:Reborn-Art Festival実行委員会、一般社団法人APバンク

共催:宮城県、石巻市、塩釜市、東松島市、松島町、女川町、株式会社河北新聞社、東日本旅客鉄道株式会社仙台支社