
新型太陽電池「ペロブスカイト」、真夏の暑さで性能を保つ技術を開発
産業技術総合研究所(産総研)は、次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池について、日本の夏の高温環境でも性能を保てる技術を開発したと発表した。高温による劣化という大きな課題を克服する成果で、実用化に向けた重要な一歩となる。この研究成果は「Nature Communications」に掲載された。
ペロブスカイト太陽電池は、軽くて曲げられるため、建物の壁や曲面などこれまで設置が難しかった場所にも使えると期待されている。一方で熱に弱く、真夏の屋外では表面温度が70度を超えることもあり、高温環境下(85度)では性能が急激に落ちることが実用化の壁となっていた。
研究チームは、電気を運ぶ役割を持つ層(正孔輸送層)に市販されている普通の有機材料を少量加えることで、この問題を解決した。従来の材料では高温になると内部に熱が拡散して空孔が生じて構造が崩れていた。新たな材料は分子の形を工夫することで熱拡散を抑え、材料の劣化を防ぐことができる。
実験では、85度の環境で2400時間にわたり性能がほとんど低下しなかった。さらに2025年夏から2026年冬にかけて屋外に設置した試験でも、発電効率の低下は確認されなかった。 今回の方法は、特別な材料ではなく市販の有機化合物を使い、製造工程も簡単なため量産にも適しているという。研究チームは、耐久性のさらなる向上を進め、20年以上使える太陽電池の開発を目指すとしている。

画像提供:産総研(冒頭の写真はイメージ)

