
「非認知能力白書」発刊 中高生20万人の非認知能力測定で見えた実態は
Institution for a Global Society(東京都渋谷区、以下「IGS」)は、全国532校・20万人の中高生から収集したデータを分析し、報告書『非認知能力白書 2025年度版』を3月に発刊した。
非認知能力とは、協調性・自己制御・コミュニケーション力・リーダーシップなど、テストでは測りにくい力を指し、知識量や論理的推論といった認知的能力と区別される。こうした非認知能力が、学業・就労・健康・社会参加など長期的な人生の成果に深く関わることが、国際的な研究によって示されている。一方で、測定や可視化の手段が十分に整備されていないことが課題となっている。
同白書は、IGSが開発・提供する非認知能力測定ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」を通じて蓄積したデータ511122件をもとに構成されている。Ai GROWは、「考える力」「自分自身との向き合い方」「他者との関わり」「社会や集団との関わり」の4領域・25コンピテンシー(行動特性)を、生徒の自己評価と他者評価(生徒同士による相互評価)によって可視化するツールだ。
今回、中高生20万人分のデータの分析を通して、他者評価は中学1年から高校3年にかけて全9項目で緩やかに上昇するのに対し、自己評価では高校入学時に広範な低下が観察された。これは能力の低下ではなく、新しい集団のなかで自己認識が揺らぐことによるものと考えられる。この時期を放置すると萎縮や意欲低下につながるリスクがある一方、適切な支援設計により回復を早めることが期待できる。


また、国際比較で日本が最も低い水準にある「影響力の行使」については、学校間の差が存在し、環境設計によって変化し得ることが示された。発言・主導・リーダーシップの機会を意図的に組み込むことで、さらなる成長が期待できるとしている。
同白書は、IGSのウェブサイトより無償でダウンロードできる。
画像提供:IGS(冒頭の写真はイメージ)

