花便り~モモ

今年もはや3月。3月3日の「桃の節句」に合わせて、花屋にはモモの花が並んでいる。

この時期に花をつけるのは温室育ちのもので、実をつける種類ではなく花を楽しむためのもの。枝に沿ってびっしりと花をつけるのが特徴で、ウメの花弁は真ん丸なのに対し、モモは先が少し尖っている。サクラは花弁の先に切り込みが入っているので、花を見ればそれぞれ見分けることができる。

原産は中国といわれるが、日本では縄文時代から栽培されており、『古事記』にも登場する。モモというの名は、実がたくさんなるため「百(もも)」から、また、実が赤いため「燃実(もえみ)」から変化した、などその由来には諸説ある。

「桃」がつく言葉としては、花の色から「桃色」、何事にも時があるという意味で「桃栗三年柿八年」、また昔話には「桃太郎」が登場する。中国では仙木・仙果(神仙に力を与える樹木・果実の意)と呼ばれ、不老長寿を与え、邪気を払う神聖な力があるとされてきた。そのため、モモの実から生まれた桃太郎は鬼を退治する力を持ち、ひな祭りにも飾られるようになったようだ。中国の祝事の時にはモモの実の形をした饅頭を食べる習慣があるというが、モモの実自体の旬は夏。日本では福島県、山梨県、長野県が有名だが、アメリカやイタリアでも生産されている。

モモの花言葉にあやかって、ひな祭りのお祝いをしつつ、天下無敵な力を身につけたいものである。

花言葉:私はあなたのとりこ、天下無敵、気立ての良さ

モモ(桃):薔薇(バラ)科モモ属の落葉小高木
 

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