携帯電話&iPad持ち込み禁止で、学力向上 英国

携帯電話やiPadを教室に持ち込むのを禁止したことによって、年間で1週間分の学習に匹敵する成績の向上効果が得られる、と英デイリー・テレグラフ紙が報じている。

近年、名門ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が、バーミンガム、ロンドン、レスター、マンチェスターといった各地域の学校で調査を実施した。対象は各校の16歳の生徒たちだ。持ち込み禁止前後のテスト結果を比較したところ、禁止後は平均6%の伸びを確認できたという。

英国では、ティーンエイジャーの9割が携帯電話を所有しているといわれており、多くの学校では携帯電話を教室に持ち込ませないよう対策に苦心しているようだ。今回の結果を受けてさらに、持ち込み禁止の動きは加速することになるだろうか。iPadなどモバイル電子機器を学習に利用する動きがある一方、こうした機器による学習弊害も懸念されているが、これは21世紀の主要な問題だと、英国教育省の担当官は語る。さらに、「学習は根気がいることを、子供たちは十分すぎるくらい知っている。だから、簡単に娯楽を楽しめるスマートフォンをポケットに入れておけば、学習から簡単に気をそらせることになる。これには取り組みが必要だ」とのこと。

携帯電話やiPadの持ち込みに関して、英国政府からの方針は打ち出されていないので、今のところは、各地域の各校による対応に委ねられている。

(写真はイメージ)