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世界自殺予防デー、相談だけではない多様な支援が広がる

910日は世界保健機関(WHO)が定める「世界自殺予防デー」だ。日本国内でも10日から16日までを「自殺予防週間」とし、厚生労働省や地方自治体などが中心となって自殺防止に向けた啓発活動に取り組んでいる。

世界自殺予防デー(World Suicide Prevention Day)は、2003年に国際自殺予防学会がWHOと共同で制定した記念日。「自殺は防げる」という共通認識のもと、社会全体で自殺予防への注目を高め、偏見を打破し、支援と理解を広げることを目的としている。

近年、日本における1539歳の死因の第1位は自殺。2024年には小中高生の自殺者数が529人となり過去最多を記録するなど、若年層の自殺が深刻化している。特に小中高生の自殺者数は、夏休み明けの91日に最も多くなる傾向があるため、国や関係団体などは電話・SNSによる相談支援体制の拡充や、ポスター・動画による相談の呼びかけなどを行っている。

ただ、死ぬことを考えた人のうち、メンタルヘルスサービスを利用した人は3割に満たず、死のうと考えても支援を求めない傾向にあることが、調査によって明らかになっている。

一方、つらい状態を乗り越えた人の経験談が、今まさに生きづらさを抱えている人の力になることも証明されつつある。

これを受けてNPO法人生きテク(東京都渋谷区)は、自殺防止の啓蒙活動として、「今読むべき『10代が自殺を踏みとどまった実体験』」をテーマに、インタビュー記事を公開している。「誰にも相談できない」といった、生きづらさを抱えた人たちに向けて、過去に困難を乗り越えた人たちの「これで助かったというきっかけ」「回復までの体験談」「人生のどん底を乗り越えた技術=生きテク」を紹介している。

また、いのち支える自殺対策推進センターは、死にたいほど追い込まれる前に「逃げる」選択肢があることを、こどもや若者に考え知ってもらう、参加型の啓発活動「#逃げ活 ~こころの逃げ場、ここにあるよ~」を企画。これは「逃げる」ことに関連する4つのテーマについて、自身の考えを付箋に書き出すワークで、さまざまな団体・機関が利用できるようツールキット(フリー素材)を提供している。

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(写真はイメージ)