
体温発電に前進 柔らかい新材料で高性能を実現 名古屋大
名古屋大学は7日、体温で発電する充電不要のセンサーの実現に近づく新材料を開発したと発表した。この材料は、人の体温から電気を取り出せる性能が有機材料として世界最高水準に達したという。将来的には腕時計型の健康管理機器や高齢者の見守りセンサーなどを充電せずに使えるようになる可能性がある。この研究成果は国際学術誌に掲載された。
人体装着型センサー用電源として、体温を利用して発電する「熱電素子」の研究が進められている。熱電素子は、皮膚に触れた部分と外気との温度差から電気を生み出す。実用化には、柔らかくて軽く、十分な発電性能を持つ材料が必要である。従来からある室温付近で利用可能な熱電材料は、無機半導体などの硬くてもろく有害な元素を含むものが多かった。
名古屋大学などの研究チームは、サッカーボールのような形をした炭素分子「フラーレン」と、酸化モリブデンの微小な粒子を組み合わせた新しい材料を開発した。この材料は、柔らかさを保ちながら電気の流れやすさを大きく高め、従来の有機材料では超えるのが難しかった性能指数0.5を大きく上回る0.81を記録した。実用化の目安とされる1に迫る値で、有機材料としては世界最高だという。
研究チームは、この研究によって、熱電材料の高性能化に関する新たな指針を示すことができたとしている。今後、同様の手法を用いたさらなる性能向上や実用化への応用が期待される。

画像提供:名古屋大(冒頭の写真はイメージ)

