カバの「ユイ」、上野動物園にお嫁入り

 1日、カバのユイが愛媛県立とべ動物園より上野動物園に来園した。ユイは3歳9か月のメス。上野動物園では2011年4月にメスのサツキが死亡して以来、オスのジロー(31歳11か月)1頭だけの飼育が続いていた。

 カバは国際自然保護連合(ICUN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリストの絶滅危惧2類。カバの寿命は野生で40~45年、飼育下では45年ほどと言われる。オスは7歳で、メスは9歳で性成熟に達する。

 今回の措置はブリーディングローンという賃貸契約でなされた。これは動物園や水族館の間で動物を貸し借りして移動させることによって、積極的に繁殖を促進することを目的としたもの。希少な動物は、個人や動物園・水族館の持ち物ではなく、世界共通の財産であるという考えに基づいている。ブリーディングローンの実施により、希少動物のペア飼育や群飼育が進み、たくさんの動物が繁殖に成功している。

 ユイの貸与による来園で、ジローとユイの間に子供が生まれることが期待されている。