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海外在住者がもらってうれしいお土産 ドイツ編(6)日本茶

ドイツに住んでいて、自分が日本人なのだと強く意識する瞬間があります。それは、お米の味にうるさいとき。さらに、日本人の中でも自分が静岡県人の血を引いていることを強く意識する瞬間があります。それは、お茶の味にうるさいとき。今日は、後者の話、つまりお茶の話をしたいと思います。

私がドイツで決して買わないもののひとつが日本茶です。アジアショップやお茶の専門店などでは、日本茶も販売されているのですが、なぜか買ったことがありません。こちらで売っている日本の食料品というのは、どれもが日本からの長い道のりを経て輸入された経緯があるわけで、こと日本茶に関して言えば、その経路が非常に気になるのです。

長い航路を経て来たのではないか? 暑い国、寒い国を通ってきたのではないか? 保存状態は大丈夫だったのだろうか? このパッケージに書いてある賞味期限、本当に合っているのだろうか……などなど。品質が悪いお茶や風味の落ちてしまったお茶を飲むくらいなら、白湯を飲んでいた方が幸せだと、私の静岡県人魂が申しております。

というわけで、日本茶に関しては必ず日本でじかに買い付ける習性を持っている私ですが、仕事で移動が多い場合などには、緑茶やほうじ茶のティーバッグが重宝します。

「あれ、さっきまでお茶の味にうるさいって言ってなかった?」と突っ込みたいであろうそこのあなた! 最近のティーバッグの日本茶を甘く見てはいけません。ティーバッグひとつひとつが完全密封パックになっていて、品質保存状態は完璧。しかも肝心のお茶そのものの味も水準が高く、なおかつ手ごろなお値段でコンビニでも購入できるものが増えているのです。

ティーバッグの日本茶を初めていただいたのは、海外出張の多い日本人ビジネスマンの方からでした。これさえあれば外国のホテルでひとり、急須がなくても手軽に日本茶を入れることができ、食事が口に合わなかったとしても食後に一杯の日本茶を飲むことで得られる安らぎがある……。そんな旅慣れた方の知恵のアイテムだったのですね。

たかが日本茶、されど日本茶。ティーバッグのお茶が今日も世界のどこかで、一日の終わりに誰かを癒しているのです。