竹中工務店は2日、東京理科大学が設立した「スペース・コロニー研究センター」に参画し、2030年以降の宇宙滞在に必要な技術の研究開発に着手すると発表した。
同研究センターは、宇宙開発に不可欠な閉鎖環境で人間が長期滞在するための技術を研究する開発拠点。文部科学省による「平成29年度私立大学研究ブランディング事業」に採択されており、5年で研究技術の実用化を目指している。同社は同研究センター設立の準備段階から参画している。
同センターの研究開発は、4つのチームで構成されており、1つ目の事業統括及びスペースQOLデザインでは、事業の統括を努めるとともに、微小重力や低圧の特殊な環境条件の下で快適に生活するために必要なシステムを設計する。2つ目のスペースアグリ技術では、水中プラズマ技術と光触媒技術を併用して、閉鎖空間でも自給自足できる農業技術を開発する。3つ目の創・蓄エネルギー技術では、高効率高出力の太陽電池、熱電池発電システム、高エネルギー密度蓄電システムの開発を行う。4つ目の水・空気再生技術では、閉鎖空間内で利用される水や空気を再生利用し環境維持を行うシステムを開発する。
竹中工務店は4チームのうちのスペースアグリ技術と水・空気再生技術の2チームに参画している。なお、スペースアグリ技術の一部については、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブの研究提案募集にも採択され、すでに千葉大学、キリンなどと研究をスタートしている。同社は今後もスペース・コロニー研究センターとともに、宇宙における居住空間の「衣・食・住」に視点を置いた研究活動を推進していくとのこと。
画像提供：竹中工務店（冒頭の写真はイメージ）