
微生物を活用し、製紙廃液からプラスチック原料を高効率生産する技術を開発
長岡技術科学大学は10日、微生物の働きを利用して、製紙廃液に含まれる成分から生分解性プラスチックの原料を高効率で生産することに成功したと発表した。この技術は石油に頼らない新たな資源利用として期待される。この研究成果は国際学術誌に掲載された。
紙の原料である木材には「リグニン」と呼ばれる成分が多く含まれている。リグニンは地球上で非常に豊富な物質だが、構造が複雑なため活用が難しく、製紙の過程で出る廃液(黒液)に多く含まれながらも十分に利用されてこなかった。こうした未利用資源を有用な化学品に変える技術は、資源の有効活用の観点から注目されている。
長岡技術科学大学などの研究チームは、リグニンを分解できる細菌「SYK-6株」を改良し、廃液中のさまざまな化合物を一つの物質にまとめて変換する仕組みを開発。その結果、プラスチックの原料となる化合物「PDC」を高効率で生産することに成功した。針葉樹(スギ)由来の廃液では、理論上の量を上回る135%の収率を達成し、未同定の成分も含めて有効に利用できている可能性が示された。
さらに、広葉樹(シラカバ)由来の廃液についても、分解の過程に関わる新たな遺伝子を発見し、複雑な反応経路を整理することで生産効率を向上させた。これにより、異なる種類の木材からでも安定して原料を作る道が開けた。
この技術は、これまで十分に活用されてこなかった製紙廃液を資源として再利用できる点に大きな意義がある。同研究チームは今後、生産条件の最適化や大規模化を進め、実用化を目指すとしている。プラスチックの原料を石油に頼らずに供給できる可能性があり、持続可能な社会の実現に貢献することが期待される。

画像提供:長岡技術科学大学(冒頭の写真はイメージ)

