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「裏側から見た月と地球」を初めて撮影 中国の月探査用小型衛星

「裏側から見た月と地球」を初めて撮影 中国の月探査用小型衛星

月周回軌道にある中国の小型衛星「龍江二号」は日本時間4日0時20分に、初めて月の裏側全体と地球を一緒に収めた写真を撮影した。月が地球の周りを1回公転する間に、月も1回自転するため、地球から見て月はいつも同じ側(表側)しか見えない。この写真から、月の裏側は表側に比べて隕石が衝突してできたクレーターがたくさんあることがわかる。

今年1月に中国の月探査機「嫦娥じょうが四号」が月の裏側に着陸を果たしたが、地球からは月に遮られるために月の裏側と直接に通信ができない。そこで嫦娥四号と地球の通信を中継するために、通信補助を行う人工衛星「鵲橋じゃっきょう」が打ち上げられた。鵲橋とは、中国の伝説で旧暦の七夕に天の川に架かるとされる橋のこと。今回の写真を撮った龍江二号は、2018年5月に鵲橋の打ち上げに相乗りで打ち上げられたものだ。

龍江二号は中国のハルビン工業大学が開発した小型衛星。撮影した写真は小さなアンテナで地球に送られるため、受信するには大きな無線アンテナが必要となる。そこで、オランダのドゥビングロー25m電波望遠鏡を運用しているCAMRASボランティアに協力を依頼した。この写真を衛星からダウンロードするのに20分かかったという。

なお、今年8月に龍江二号の燃料は尽きるため、制御された方法で月面に衝突することになっている。

画像提供:camras