スパコン「京」 ビッグデータ処理で9期連続世界1位に

スパコン「京」 ビッグデータ処理で9期連続世界1位に

理化学研究所(以下、理研)、九州大学、東京工業大学、富士通などの国際共同研究グループが開発したスーパーコンピュータ「けい」が、ビッグデータ処理に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングであるGraph500において、2018年11月に続いて9期連続で1位を獲得した。18日、ドイツ・フランクフルトで開催されている高性能計算技術に関する国際会議「ISC2019」で発表された。

Graph500は2010年から実施されているスパコンランキングで、グラフ解析の性能を競うもの。グラフ解析は、交通データに対する経路探索や、ウェブデータに対する動的な重要度や影響度の判定など、大量のデータをグラフデータに変換して計算機で高速処理する手法のこと。

「京」は理研の登録商標で、10ペタ(10の16乗)を表す単位であるとともに、この漢字の本義が大きな門を表すことから、「計算科学の新たな門」という期待も込められているという。

「京」は運用開始から6年以上が経過しているが、今回のランキング結果によって、現在でもビッグデータ解析に関して世界トップクラスの能力を有することが実証された。この成果の広範な普及のため、国際共同研究グループはプログラムのオープンソース化を行い公開している。今後は大規模高性能グラフ処理のグローバルスタンダードを確立していくとともに、2021年頃の共用開始を目指しているスーパーコンピュータ後継機「富岳ふがく」においても、世界をリードする成果を生み出すことを目指すとしている。

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