ボイジャー1号が星間空間でプラズマ波の連続した音を検出

ボイジャー1号が星間空間でプラズマ波の連続した音を検出

米コーネル大学の博士課程の学生でボイジャーチームのメンバーでもあるステラ・オッカー氏と共同研究者は、ボイジャー1号が遭遇した電場の規則的な変動の調査により、星間プラズマ波を検出した。これらの波を測定することで、恒星間の希薄媒体である星間プラズマの密度の連続測定に世界で初めて成功した。
この研究は5月10日付で「ネイチャー・アストロノミー」誌に掲載された。

ボイジャー1号は米航空宇宙局(NASA)によって44年前の1977年に打ち上げられ、2012年8月に太陽圏と星間空間(恒星間の領域)の境界であるヘリオポーズを越えて星間空間に入った最初の探査機で、現在も測定データを送信している。
恒星間を航行するようになって8年が経ち、ボイジャー1号のデータを詳しく調べることで、太陽圏のその先のフロンティアについての新しい洞察が得られている。

オッカー氏の指導教官であり論文の共著者であるジム・コーデス教授は、「星間物質は乱流の波で満たされている。最大の波は銀河の回転から来ていて、それより小さな波が超新星の爆発で引き起こされる。最小の波は太陽からのもので、太陽の表面で大規模な太陽フレアが発生すると星間物質に衝撃波が伝わる。これらの波は星間物質の密度についての手がかりを明らかにするものであり、太陽圏の形状、星の形成方法、さらには銀河内の私たち自身の位置の理解に影響を与える値だ」と述べている。

太陽圏を出て3か月後の2012年11月、ボイジャー1号は初めて星間空間で太陽からの衝撃波が引き起こした音(星間物質の振動)を検出し、さらに6か月後には別の「笛」のようなより大きく、さらに高い音を検出した。これらの瞬間的な笛のような音は現在もボイジャーのデータに不規則な間隔で続いている。この音は星間物質の密度を研究するための優れた方法ではあるが、オッカー氏は「年に1回しか見られない偶然の出来事に依存しているため、星間空間の密度の地図はまばらな状態だ」と述べた。

オッカー氏は地図上のすき間を埋めるために、大規模な太陽フレアという偶然の出来事に依存しない、星間物質密度の連続した量を見つけることに着手。ボイジャー1号のデータをフィルタリングし、弱いが一貫性のある信号を探した結果、有望な候補を見つけた。それは2017年半ば、ちょうど別の「笛」の頃にピックアップし始めた。

オッカー氏は「その音は事実上単一の音色で、時間の経過とともに音の変化を確認できますが、周波数の動き方から密度の変化もわかります。地球から最も離れた空間で密度を定期的にサンプリングできるため、非常に興味深いです。これにより、ボイジャーで密度と星間物質の最も完全な地図が得られます」と述べた。

信号に基づくと、ボイジャー1号周辺の電子密度は、2013年に上昇し始め、2015年半ば頃に現在のレベルに達し、密度が約40倍に増加。2020年の初めに終了した分析データ全体を通して、多少の変動はあるものの、同様の密度範囲にあるように見えるという。

オッカー氏と同僚は現在、この弱いが一貫性のあるプラズマ波がどのように生成されるのかについての物理モデルの開発に取り組んでいる。その間も、ボイジャー1号は遠く離れた場所からデータを送り続けている。

画像提供:NASA / JPL-Caltech

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