2015年10月21日は「バック・トゥ・ザ・フューチャー・デイ」

2015年10月21日は、1989年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー 2』のタイムトラベルで向かった30年後の未来の日だ。その未来の日「バック・トゥ・ザ・フューチャー・デイ」も既に過去となったのだが、「映画で描かれた2015年の世界」と「現実の2015年の世界」を比べてみよう。

まず初めに取り上げるのは、映画の中で鍵となるのがタイムマシンとして改造された自動車「デロリアン」。映画ではどの自動車も当然のごとく空を飛んでいて、しかもバナナの皮などの生ごみを燃料とした原子炉を積んでいた。一方、現実の世界では、タイムマシンが実現していないだけでなく、自動車は地上を走り、主要な燃料はガソリンか軽油という状況だ。

しかしながら、翼を展開することで空を飛ぶことのできる自動車は各地で開発されており、原子炉ではないが、水素を燃料に発電する燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」をトヨタが2014年12月に発売している。MIRAIの米国での発売は今年10月で、カリフォルニアの顧客の元に最初に届けられたのが、まさに10月21日だった。MIRAI発売に際し、トヨタは主人公のマーティー・マクフライを演じたマイケル・J・フォックスと、デロリアンをタイムマシンに改造した”ドク”ことエメット・ブラウン博士役のクリストファー・ロイドを起用したコマーシャル映像も制作した。

映画本編にマーティーが宙に浮かぶホバーボードに乗るシーンがある。現実ではまだ車輪のあるスケートボードが一般的だが、米国のHENDO HOVER社が開発した「HENDOホバーボード」は、車輪なしに電磁誘導の原理で磁気浮上する。ただし、路面がアルミや銅など導電性のある物質でなければならず、現時点でバッテリーは7分間しか持たないという。日本では、デロリアン・モーター・カンパニーが2015年12月に172万8000円で出荷開始予定としている。

また、未来に着いたばかりのマーティーが、『ジョーズ 19』の看板が立体化して驚くシーン。現実でもまだ立体映像は普及していないが、空中に浮かぶ立体映像の研究は進んでいる。たとえば、東京大学の石川正俊教授が開発した「AIRR タブレット」や、東京大学の舘暲名誉教授が開発した「Hapto MIRAGE(ハプト ミラージュ)」などだ。

映画では、未来のマーティーが上司の「フジツウさん」とテレビ電話で話をし、Faxでクビだと解雇通知書を送り付けられていた。現実でもまだ日常的な電話は音声のみだが、ビデオチャットは一般的なものになっている。Faxは今も使われているが、Eメールに取って代わられつつある。

一方、現実で実現されたものも多くあり、映画の中で出てきたタブレット型コンピューターや、指紋認証技術などは、まさにそれと言えるだろう。

ユニバーサル映画のバック・トゥ・ザ・フューチャー30周年記念特典映像では、ドクが「なんてことだ。私の計算が正しいなら――今は2015年10月21日のはず。『未来』がついに来た。予想とは違うが、それでいいんだ。君の未来にはまだ可能性があるってことだから。未来は自分で作るものだぞ。毎日を大切にな」とメッセージを送っている。

画像提供:トヨタ

関連記事一覧