木材の脱水技術開発でバイオマス燃料の製造を効率化 岡山大

岡山大学は16日、木材を効率的に脱水する技術を開発したと発表した。木材以外にも竹や草本類に使用することが可能で、バイオマス燃料の製造に役立てることができる。

木質バイオマスは化石燃料の代替として注目されている燃料だが、発電などに用いるボイラーを効率的に稼働させるためには、燃料の含水率を下げる必要がある。しかし、乾燥機を用いるには重油や電力が必要となり、自然乾燥には1年間乾燥させる時間と場所が必要だ。木質バイオマス燃料を普及させるためには、この乾燥コストを下げることが課題だった。

岡山大学の研究グループは木材の効率的な脱水方法を検討した。ローラー式圧搾機を用いて木材を導管に沿ってストロー状に圧搾することで、これまでより効率的に脱水ができることを証明した。圧搾のみで含水率を35%以下に下げることができ、これによって乾燥させるコストと時間を大幅に短縮することが可能となった。

また、圧搾液中には水溶性のリグニンが含まれていることが確認された。これについては抗ウイルス素材としての利用や、ナノ炭素の原料として新素材開発に役立てられるという。

同技術によって木質バイオマス材料の製造を効率化することで、再生可能エネルギーの利用によるCO2削減が促進できるという。併せて薬剤や熱を用いずリグニンの回収が可能で、再生可能な新素材の原料としての研究が進むことが期待される。

画像提供:岡山大学(冒頭の写真はイメージ)