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ウェルビーイングを中心とした探究学習の評価基準を新たに開発

ウェルビーイングを中心とした探究学習の評価基準を新たに開発

EdTech教材を提供するInspire High(東京都世田谷区)は5月30日、生徒のウェルビーイングを計測するための「Inspire High ウェルビーイング アセスメント」を開発したことを発表した。同社の提供する探究学習教材を通して、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を得るための学びを設計するねらいだ。

同社は、「一人ひとりのウェルビーイングと世界平和の実現」というビジョンのもと、多様な生き方や価値観に触れられるプログラムを提供することで、中高生一人ひとりが自分らしい生き方を見つけることを目指している。主に中学校・高校の「総合的な探究の時間」やキャリア教育、SDGs教育などに利用できる、探究的な学びを教室で実践するオンラインプログラムを提供している。

オンラインプログラムでは、台湾デジタル担当大臣オードリー・タンと考える「社会はどう変えられる?」や、マサイ族長老と考える「アイデンティティってなんだろう?」などのインタビュー動画を視聴し、世界中のクリエイティブな大人たちの多様な生き方や価値観、仕事、社会課題に触れ、「答えのない問い」に挑戦することができる。6月時点で100校以上の導入実績がある。

ウェルビーイングとは、文部科学省の中央教育審議会が3月に発表した次期教育振興基本計画において、「身体的・精神的・社会的に良い状態にあること。短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念」とされている。同社はこの「ウェルビーイングな状態」を構成する要素を新たに定義し、アセスメント(評価基準)を独自開発した。アセスメント開発には、OECDやWHOを含む国内外の先行研究や事例を参照しており、日本における幸福学の第一人者である、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授が監修した。

同社は、特に以下の3点が高い次元にある場合に、「ウェルビーイングな状態」に近づけるとしている。
1.自己とのつながり:深い自己理解に基づいた、自分なりの価値観を持っている
2.他者とのつながり:異なる他者と競争するのではなく共感性でつながっている
3.社会とのつながり:自分はこの社会とつながり、変化を生み出せると考えている
ウェルビーイングを中心とした探究学習の評価基準を新たに開発
今後は、同社の教材を受講している中高生から同アセスメントに定期的に回答を得、効果を可視化し、プログラムの開発・改善を行う予定。探究学習やSDGs教育をキャリアや進路につなぐだけでなく、生徒一人ひとりのウェルビーイングにつなぐ学びを設計していきたいとしている。

画像提供:Inspire High