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(コラム)「アルファ碁」対局を終え、人工知能と人間との境界線を可視化する 後編

前回、「アルファ碁」対局を通して見えてきた、ゲームの世界での人工知能の進化について見てきた。これまで人間にしかできなかった「マクロ的視点」を持った問題解決能力と、「人間らしい振る舞い」を獲得した人工知能。これから先、どのように進化していくのだろうか。人間がロボットに支配されるという時代が本当に来てしまうのだろうか。今回はこれらについて考えていこう。

 

実世界に登場する人工知能ロボット

常に人間のように振る舞い、人間より豊富な知識を持ち、さまざまな解決策をすばやく講じる人工知能が、間もなくゲームの世界(オンライン、オフライン共に)から実世界の経済活動に姿を現してくるだろう。補足しておくと、一部ではすでに人工知能が経済活動で利用されていると言われる。それは間違ってはいないが、そのアルゴリズムは人間を代替するには能力が足りていない。臨機応変さ、大局観などは備えていないからだ。

ただ、アルファ碁の持つアルゴリズムは世界的に未開拓の領域であり、今後はグーグルが指摘する「人間的な振る舞い」をもって経済活動に進出してくると予想される。

グーグルの研究機関である「グーグルリサーチ」は3月8日に、アルファ碁と同様のアルゴリズムを持つ14台の人工知能ロボットを使い、ロボットの足元に置かれたトレーの中に無造作に置かれた生活品を掴んで移動させるトレーニングをした。はじめはいずれも同じ動きをしていたが、トレーニングを続けるとそれぞれが生活品の置かれ方を認識して独自の動きをはじめ、あっという間にその場に適した対応をするようになった。

(コラム)「アルファ碁」対局を終え、人工知能と人間との境界線を可視化する 後編
(画像出典:グーグルリサーチ)

 

人工知能にできず、人間にできること

「人間がロボットに支配されるのではないか」という話も話題になっているが、この人工知能の進化スピードを考えるとあながち間違いではないように思えてくる。しかし人工知能が進化する大前提が3つある。それは「訓練データを与えること」「訓練すべき”問い”を立てること」「”問い”を立てるべき”不”を、”不”であると定義すること」だ。

人工知能は間違いなく有能であり、またさまざまな市場で有能になる可能性を秘めている。しかし、ロボットを有能にするには、訓練するためのデータ、つまり過去の経験が必要だ。データがないところでは人工知能は有能にはなれない。そして「何の問題を解決するために人工知能を訓練させるのか」、そのための問いを作るのは人間だ。そして、その問いを作る動機となる不、その不を不と感じ、不であると定義するのもやはり人間である。

逆説的にいえば「人工知能が起業家になれるか?」という問いについてはノーと言えるだろう。そこに人間としての意義、人工知能でなく神が与えた「人間の脳」への期待はまだまだあると考える。

 
(冒頭写真はイメージ)

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